絵本バンクの絵本棚

絵本バンクの絵本棚

セーラーとペッカ

絵本バンクは、現在20名弱で活動していますが、メンバーは女性が多くを占めています。年齢は20代から50代でいろいろなキャラクターの人がいます。


しかし、メンバーの中で「男」はいまのところ私1人しかおりません。


主婦のメンバーが大多数なので、良く子どもの話が出てくることが多いのですが、たまに、「女の子は小さい頃からお母さんと競い合うけど、男の子はほんとうに甘えん坊だよね〜。」という意見が出てきます。大多数のメンバーが同意している中で、唯一の男として、「そんなことはないですよ!母親に甘えるわけないですよ!」と一応、ささやかな反論を試みたりしています。


そんな、絵本バンク唯一の男「hoku」が男目線!?で絵本をおすすめしていきたいと思います。



最初の絵本は、スウェーデンの現代美術作家「ヨックム・ノードストリューム」がつくった「セーラーとペッカ」全5巻です。話は船乗りを引退したセーラーと犬のペッカの何気ない日常生活です。この2人の性別は、男とおそらくオスです。
そして、影のメインキャラクターであるジャクソン夫人(女性)も出てきます。(実は本当のメインキャラクターは絶対に彼女です。男とオスは彼女のために生きているといっても過言ではないでしょう。)


セーラーとペッカは街に買い物に行ったり、教会へ行ったり、サッカーくじをしたり、いろいろなお話が出てきます。全5巻で、性別を問わずに彼らを取り巻くおかしな人ときれいな世界を楽しめます。


その何気ない日常の風景は、鉛筆や絵の具のドローイングだけではなく、コラージュ手法を用いて描き、見ているだけでも楽しい絵本です。特に、マンション、工場、ビル、教会、いろいろなお店など、建物やインテリアの表現が素敵です。その繊細な建物の描写とは一転して、出てくる人は想像力豊かな色使いをして、自由奔放に描かれています。このような1ページ1ページは個性的で、刺激的な絵が詰まっています。

個人的なおすすめは、第5巻「セーラーとペッカは似た者どうし」です。
見開きに書かれた町や海の風景、そしてお店のインテリアなどを楽しむのには一番良いと思います。


ただし、1冊買ったら、そのデザイン性が高い絵と、ほのぼのとした物語の虜になり、全5冊を購入したい衝動に駆られます。(わたしは未だに一冊しか購入できていませんが。。。)

この絵本は、絵本にあまり興味がない人にも、アート本として、お部屋に飾ったりして楽しめますよ。


そういえば、絵本バンクでは、日本のアーティストが描いた絵本として、日比野克彦さんと糸井重里さんの絵本「おめでとうのいちねんせい」が在庫であり、7月のイベントで展示予定です。さらに、次回9月のイベントでは、美術というテーマで大竹伸朗さんの「ジャリおじさん」をはじめとしたアート関連の絵本を何冊か展示予定です。お楽しみに。