絵本バンクの絵本棚

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いつか、ずっと昔

初ブログです。

絵本バンクには今年の春から参加させていただいていて、

「この人の絵本のここが好き!」
「この間こんな絵本見つけてね・・・」

と毎回のミーティングでわいわい情報交換。
皆さん、詳しい〜!!(^∀^)人(・ 0 ・;

作家さん事情や幅広いジャンルの絵本について段々知識が
ついてきて、もっともっと♪と意気込む今日このごろです。


さて、メンバーそれぞれに、お気に入りの作家さんがいます。
11月のイベントはメンバーが一人ずつ作家さんを担当し、
おススメの作品をどーんと紹介します。


わたしが担当するのは荒井良二さん。

今回は選んだ7冊のうちの1冊をご紹介します。

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『いつか、ずっと昔』
出版社/アートン

文章を小説家の江國香織さん、絵を荒井良二さんが手がけた
コラボレーション作。

結婚を控えたれいこは、婚約者と夜桜を見に出かけます。
じっと桜を眺めているところへ、一匹のへびが現れます。

それは、いつかずっと昔、自分がへびだった頃の恋人でした。

次々とかつての恋人と再会し、過去の記憶を旅するれいこ。

記憶のスクリーンが桜の花びらの散る中、ぱっと現われては
消え、現われては消え・・そんなイメージ。

江國さんのしっとりした文章と、荒井さんの力強い絵がうまく
溶け合っていて、パンチがあるのに幸福感に満ちた世界に
びっくり、うっとりしてしまいます。

れいこと恋人達のくすっと笑えるやりとりも好きな場面です。

読み終えた後、「ほう」とか「はあ」とため息をついてしばらく
心ここにあらず−なんだか遠い旅から帰ってきたような。

一ページずつ、絵と文章両方の余韻を楽しみながら読める、
ため息必須!の大人っぽい絵本ですよ。

桜の咲くころに、夜寝る前に、お嫁に行く前に、いえ、読みたく
なったらいつでも!

おススメです^^