土佐藩の絵本
寒くなりましたね。
先日、富谷にある山に囲まれたカフェに行ったら、まきストーブで室内がポカポカあたたかく、コーヒーもおいしくて、寒い季節も悪くないなぁと、まったり。
築100年にもなる民家なので、通っていた小学校が100年以上前の木造校舎だった私にとっては、なんだか懐かしい雰囲気。
今回紹介するのは、そんな小学校に通っていた頃に読んだ悲しい物語。
『お月さんももいろ』
松谷みよこ・文
井口文秀・絵
昔、土佐の海辺に住む、美しい十三歳の娘おりのが、海で、ももいろのさんごを拾った。とても高価な、ももいろさんごがとれることは土佐藩が政策上、秘密にしていたことで、見つかれば、殿様に差し出さなくてはならない。
病気になったおじいさんの薬のお礼に、お金のなかったおりのは、さんごを山の若者に渡す。見舞いにきてくれる若者に思いを寄せるようになるおりのだが、海辺に住む浦の者と、山の者は一緒になることは決して許されない。
ももいろさんごの事がおかみに知られてしまい、おりのは海へ潜りさんごを探す。そして狂ったように潜り続けた。嵐が近づいていることも気がつかずに。