おどる１２人のおひめさま

１２人の美しいお姫様の靴が、朝になるといつもボロボロに
なっているのを不思議に思った王様が｢この謎を解いた者に国
を譲る｣という御触れを出します。
何人もの王子が失敗したこの謎解きに、ある日、一人の貧しい
兵士が挑むのです。
…というグリム童話のお話｢踊りつぶされた靴｣を、イメージの
魔術師エロール・ル・カインが絵本にしたらこんなにも素敵に
なってしまうのですね！！！
魅惑的で華麗で幻想的で…本当にもう、素敵すぎて、ため息
しか出てこない。
ル・カインの描くイラストレーションは、東洋と西洋、幻想性
と写実性、繊細さと大胆さという相反するかのような特徴を合
わせ持っています。細密に描かれた装飾性の強いその作品は、
まさに荘厳華麗にして絢爛豪華そのものです。
｢おどる１２人のおひめさま｣ 世界中の雅やかさを全て凝縮した
かのような、それはそれは見事な美しすぎる絵本です。

グリム童話　　エロール・ル・カイン(絵)　　ほるぷ出版